午前六時前に三輪タクシーが迎えに来てくれた。レガスピ滞在中、フィリピン滞在中で初めての降雨の朝であった。レガスピ街中にあるマイクロバスの溜まり場まで15分ほど、そこで三日間お世話になった運転手と別れ、マイクロバスはそこから60kmほどのソルソゴンという街まで行きタクロバン行きのバスに乗るはずじゃなかったのか??そこでジープニーの運転手や車掌らが言うにはここじゃない、郊外まで行かねばならないと。三輪タクシーを直ぐに呼び止め、そこまで30分ぐらい、そこにはタクロバン行きのバスは出ていないらしい、再び三輪タクシーに乗り、元のジープニーの溜まり場へ戻り、そのジープニーでソルソゴン郊外まで行くということらしい。料金も100ペソ=200円ぐらいで格安、しかしそのジープニーがいつまで経ってもそれらしきところで止まらない。とうとう、ルソン島最南端の街マトノグまで客を乗せたり降ろしたりしながら65kmを走り通した。さて、面倒くさい手続を経てフェリーに乗り込んだものの、なかなか出航しない、サマール島の最北端部のアレンという港まで航路は25kmぐらいである。フェリーは大変な混み具合、この様を見てインドネシアのフェリーを思い出した。一時間半ほどの航行でようやく入港だ。キャリーバックを上のデッキまで上げてたので、降りるのが最後になってしまった。悪い予感がしたが、その通りとなった。港から出るタクロバン行きのバスがまさに出発するところであった。船会社の職員がそれを呼び止め空席を確認するも満席だとぉ~~。万事休す、この時点で午後一時半ごろ、タクロバンまでまだ250km余りあることから、レガスピ到着と同じように午後遅くなるのは間違いない。地元の青年たちがどうしたら良いのか教えてくれるものの、どうも直通バスがないようで、ミニバスを乗り継ぐことになる、そう理解した。結局は三回の乗り継ぎとなった。アレンまで港から三輪タクシーで10分移動、そこで最初のミニバスを待った。30分ほどで乗り込み終点はカルバグヨという小規模な町である。70kmぐらいを一時間半掛けて走破。そこで下車、次の町カトバロバンまで80kmぐらい、一時間半で走破。この時点で日没、行程の途中でスコールに何度か襲われた。ミニバスはトヨタのハイエース、エンジン快調で満員(20名)満載でも坂道での加速も素晴らしい。カトバロバンでも30分ほど待機してようやくタクロバン行きのミニバス、今度はニッサンのNVシリーズであった。タクロバン到着が午後九時過ぎ、街の中心地で全員が下車。
MAPSMEというGPSナビで所在が常に確認できるので不安感はない。ホテルから数百mであった。普通ならキャリーバッグを押して行けるぐらいの距離であるが、夜道でもあり、無理しない、直ぐに三輪タクシーが来たので行先を示すと走り出した。少し大回りをして5分後にはホテル前に到着、午後十時丁度であった。ホテルの予約のことでは少し不安を抱えていた。BOOKING.COMというサイトでレガスピ滞在中に予約を入れていたのだが、23日からの予約をしていたらしく、その日がNOSHOWと言うことになってサイトから警告を受けていたのである。三泊の予定がすべて強制的にキャンセルという場合もあり得たので、戦々恐々と受付で断りをして、何とか事なきを得たのである。
さて、フィリピン国内での移動手段について少し感想を書いてみようと思う。
地方の都市と都市を結ぶのはジープニーやミニバスであるが、非常に運賃も安く便数も多数で一般的なようだ。車を使うタクシーもあるものの、どうもイマイチ信用、信頼性に乏しく、特に外国人には使い勝手の面倒な手段である。市内の近距離で幅を効かせているのが三輪タクシー(トライシクル)である。これは100ccぐらいのオートバイの横に乗用のホロのある座席を設けたもので、乗り心地は粗悪な路面を拾うので長い距離を乗るには不向きである。料金は交渉するのであるが、いずれにして極安である。幹線沿道にこの三輪タクシーが途切れることはなく、日常の庶民の足でもあるようだ。ただ、速度が遅く、どうしても舗装面の中ほどを走るために、中高速のバスや乗用車の走行の障害になっているのは否めない。つまり渋滞の大きな原因でもあるようだ。三輪タクシーのスタイルも地方地方によって独特なスタイルがあり、これも見てて面白く感じた。